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  • Brian Munguia

合唱団の音声学の基礎、外国語の発音、発音記号指導に使えるリソース

こんにちは!


混声合唱団東京レパートリーシンガーズ(TRS)の芸術監督ブライアン・ムンギアです。


TRSは大きく分けて、2つの目的を持って歌います。


①海外の音楽を日本国内に発信する

➁日本の音楽を海外に発信する


単純な理由でいうと、幅広いレパートリーを歌いたいです。

海外の曲がもっと知りたい日本で歌う合唱団員も、

日本の曲が知りたい外国の合唱団員も沢山いますからです。


ただし、多くの合唱団は異国の音楽を演奏しようと思った時によくハードルになるのが目的言語の発音で歌うこと。


どこから始めればいいか、発音の指導してくれる人がいない、見本となる発音のできる人が団内にいない、等の悩み沢山あるでしょうが、できることやリソースが沢山あります。


国際発音記号(IPA)からはじめましょう


多くの日本人は外国語を学ぶ際に目的言語を無理やりカタカナにする習慣を持つ人が多いでしょう。ただし、平仮名・カタカナは46字しかなく、「ン」の字以外子音が必ず母音に付いているため、外国語の言葉の発音をカタカナで正しく表すことは非常に難しい。


発音記号(IPA)では人間のできる殆どの発音が文字化されています。ローマ字と異なってIPAはどの場合にでも字の発音は変わらないので、発音ルール等覚える必要はない。ただし、IPAを使ったことのない人は字を覚える必要があります。


この場合は母国語に現れる発音から始めた方がいいでしょう。つまり、知っている音を文字化することで、記号を覚えていく。慣れてきたら、他の言語の発音をIPA表示のある辞書や発音の教科書を使いながら新しい記号を覚えていく。


IPAはとても便利なツールである言語の発音ルールが分からなくても、記号をみるだけて近い発音ができるようになるでしょう。


声楽家の中で曲を準備している際にIPAを楽譜の歌詞一つ一つの単語の横に書く人が沢山います。別の発音シートを作る人も沢山います。ただし、一般合唱団の場合はあまり見ません。この習慣ができたら、発音がよくなるだけではなく、団体として統一するでしょう。


IPAを調べるは時間がかかるため、場合によって発音シートを作ったり、楽譜に発音を書いたりするのは現実的でない団体もいるでしょうが、インターネットでも使えるリソースが増えています。お勧めのサービスはこちらです。


古代から現代までの歌曲、合唱曲、ミサ曲等の歌詞の発音・翻訳シートを販売するサイトです。翻訳はすべて原語から英語ですが、発音はすべてIPAですが、少なくても発音を覚えるのに便利。


単語を調べるに便利ですが、単語の辞書形(活用されていない動詞など)がある程度知らないと使いにくいかもしれません。


好きな言語を選んで、発音ルールを覚えましょう


外国語を本格的学ばなくても、発音のルールとパターンを覚えるができます。覚えて覚えるほど異なる言語でも共通点に気づくでしょう。


例でいうと英語でもイタリア語でも母音の間の「s」が[s]ではなく[z]の音になる


英語

Please(ください)→[pliːz

Pleasant(快適)→[ˈplɛ.zənt

Easy(簡単)→[ˈiː.zi


イタリア語

cosa(物)→[ˈkɔː.za rosa(バラ)→[ˈrɔ.za musica(音楽)→[ˈmu.zi.ka


どの言語でも、地域によって訛ったことで発音が変わる場合がございます。歌唱発音の場合

基本的に標準語になりますが、作曲家や詩人の出身等を調べてそちらの訛りに合わせる声楽家や団体もいます。目的言語が歌う人の母国語の場合は自分の発音で歌うか、団体の場合は歌っている皆は自分の発音をちょっと変えて統一させる。


一つ気を付けなければならないのは、話す発音と歌う発音が異なる場合がございます。


一つ例として、フランス語で歌う場合、第二外国語としてフランス語を学んだ人たちはよく混乱するのが、「r」の発音。会話の時は[ʁ]になることが多いですが、歌う時は[r]にするのが基本。


こういった発音ルールさえ学べば、IPAに頼る必要が少しずつなくなっていくでしょう。


練習時は歌詞やIPAを見ながらネイティブやプロが歌っている録音を聞いて真似するのもより早く身に付くでしょう。



IPAや発音の勉強ができる書籍


海外では、声楽家のための歌唱発音や音声学の教科書は沢山ありますが、比べたら日本はどちらかにいうと会話目的の本が多い。日本語の本も英語のもまとめてみました。


総合


基礎から学ぶ音声学講義 加藤重広・安藤智子(著) 言語:日本語 ISBN:978-4327377434


音声学・言語学―言語聴覚士のための基礎知識(第2版) 今泉小澤由嗣(著) 言語:日本語 ISBN:978-4260041270


ファンダメンタル音声学 今井邦彦著(著) 言語:日本語 ISBN:978-4894762794


The Singers Guide to Languages Marcie Stapp(著) 言語:英語 ISBN:978-0965047302


International Phonetic Alphabet for Singers: A Manual for English and Foreign Language Diction Joan Wall(著) 言語:英語 ISBN:978-1877761508


Diction for Singers: A Concise Reference for English, Italian, Latin, German, French and Spanish Pronunciation Joan Wall(著) 言語:英語 ISBN:978-1877761515

ラテン語


ミサ曲・ラテン語・協会音楽ハンドブック:ミサとは・歴史・発音・名曲選 三ヶ尻正(著) 言語:日本語 ISBN:978-4883641473


Latin Pronunciations for Singers: A Comprehensive Guide to the Classical, Italian, German, English, French, and Franco-Flemish Pronunciations of Latin Sri Silva(著) 言語:英語 ISBN:978-0999255414


英語


新装版 英語音声学入門 CD付き 竹林滋・斎藤弘子(著) 言語:日本語 ISBN:978-4469245301


英語の発音 明星学園・英語部 言語:日本語 ISBN:978-4838400379


Singing and Communicating in English: A Singer’s Guide to English Diction Kathryn LaBouff(著) 言語:英語 ISBN:978-0195311389


イタリア語


イタリア語で歌いましょう~歌唱表現を豊かにする発音・発声入門~ 森田学(著) 言語:日本語 ISBN:978-4636968804


伝統のイタリア語発音―オペラ・歌曲を歌うために ルイージ・チェラントラ・小瀬村幸子(著) 言語:日本語 ISBN:978-4904049174


Singers’ Italian: A Manual of Diction and Phonetics Eveline Colorni(著) 言語:英語 ISBN:978-0028706207

フランス語


フランス語の綴りの読み方 稲田晴年(著) 言語:日本語 ISBN:978-4808602369


Singing in French: A Manual of French Diction and French Vocal Repertoire Thomas Grubb(著) 言語:英語 ISBN:978-0028707907


ドイツ語


歌うドイツ語ハンドブック 歌唱ドイツ語の発音と名曲選 三ヶ尻正(著) 言語:日本語 ISBN:978-4883641727


German for Singers: A textbook of Diction and Phonetics William Odom・Benno Schollum(著) 言語:英語 ISBN:978-0028646015


最後に面白くて役に立つアプリを紹介します。 英語の発音専門になりますが、舌の動き、息の使い方が3Dで見えて、発音のだけではなくイメージが分かりやすいです。



まとめ


各言語の発音ができるようになるためのリソースが多いため、海外の合唱曲に挑戦したい団体は過ごしでも勉強と練習、歌うのに悩む必要はなくなるでしょう。最初は色々大変だとおもいますが、練習に少しずつIPAや発音ルールの指導を入れたら団体全体が同時勉強していくことで理解も深まってツールに頼る必要が減ります。是非、やってみてください。

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